「琵琶湖で外来魚のブルーギルが激変しているという。」
ブルーギルはサンフィッシュ科に属する淡水魚の一種。
◇北アメリカ原産。現地では多くの種が生息しています。
◇体長は20cm前後。北アメリカで大規模河川や湖沼では、40cm近くに成長したものも見られます。
◇日本に生息するのはアイオワ産。体側に細い横しまが10本前後あります。
◇左右の鰓蓋の上部に突出した皮弁があり、その部分が紺色になっています。
この部分に由来して”Bluegill sunfish”(ブルーギル・サンフィッシュ : 青い鰓蓋のサンフィッシュ)、略してブルーギルと呼ばれています。
また水面から本種を見ると鰭が鈍い光沢のある青色に見える事もあります。
背鰭(せびれ)、腹鰭(はらびれ)、尻鰭(しりびれ)に鋭い棘条(きょくじょう)があり、不用意につかむとささり、出血することもあるので注意が必要です。
琵琶湖で大繁殖をしている外来魚のブルーギル。長年滋賀県で悩みのタネになっています。
そのブルーギルが突然激減しました。県が何か特別な対策をとったわけではありません。
12年度から外来魚駆除を本格化しており、
19年度(県全体の駆除量543トン)をピークに、推定生息量と駆除量を徐々に減らしていきました。
その結果、昨年度は176トンにまで減少したのですが、今年度は4~7月で駆除量34トン。昨年同期(76トン)の半分以下でした。
現状は、ブラックバスの孵化(ふか)が多くなっており、ブラックバスの卵や稚魚は、ブルーギルの捕食対象で、ブラックバスの孵化(ふか)が多いのは、ブルーギルに捕食されなかったためとも考えられるそうです。
ブルーギルは動物食の傾向が強い雑食性で、プランクトンや在来魚の卵も食べるそうで、
ブルーギルが本当に減ったのであれば、湖のプランクトンの組成や生態系に変化がある可能性が出てきています。
県によると、今年度捕獲されたブルーギルの大半は稚魚が多く、県関係者は「小さい魚は網にかかりにくい。駆除された稚魚が多いのなら、逃れた稚魚も多い可能性があり、捕獲量が減っても個体数は変わっていないかもしれない。調査を進めて実態を把握する必要がある」としているそうです。
まとめますと、ブルーギルが減少している考えられる理由は
◆ブルーギルが食す、プランクトンや在来魚の卵が減りつつあり、湖のプランクトンの組成や生態系に変化がある可能性が出てきているため。
◆今年度捕獲されたブルーギルは稚魚が大半になっており、小さくて網にかかりにくいので、逃れた稚魚が多い可能性があるため。
外来魚は本来の生態系を崩しているため、駆除を続けなくてはなりません。
しかし、外来魚に罪はありません。少し心が痛みますが、そんな甘いことを言ってられないのが現実です。心を鬼にして、日夜漁師の方々は駆除を続けているのでしょう。(もっと割り切ってビジネスとして行われていると思います^^;)
外来魚の駆除、生態系を戻す作業を見守りたいと思います。